模倣品や海賊版から会社を守る!(第8回)契約で会社の知的財産を守る
契約で会社の知的財産を守る
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会社の技術やブランドを守る「水際対策」は、国境での模倣品対策だけではありません。
重要なのは、ビジネスの初期段階から、知的財産に関するリスクを未然に防ぐことです。そのための強力なツールが「契約書」です。
今回は、経営者が知っておくべき知的財産に関する2つの重要な契約、秘密保持契約(NDA)とライセンス契約について解説します。
1. 秘密保持契約(NDA)
新規事業の打ち合わせ、他社との共同開発、外部の専門家とのやりとり……。
これらの場面では、会社の重要な秘密情報(技術情報、顧客リスト、開発中の製品アイデアなど)を相手に伝えることがあります。
そんなとき、情報が外部に漏れないように交わすのが**秘密保持契約(NDA)**です。
NDAの役割
• 情報漏洩を防ぐ:会社の機密情報が他社に盗まれたり、勝手に使われたりするのを防ぎます。
• 信頼関係を築く:NDAを交わすことで、相手との間に「お互いの情報を尊重し、大切に扱う」という信頼関係を築くことができます。
ここに注意!
契約書には、「どの情報が秘密情報なのか」「何のために情報を使うのか」を具体的に明記することが重要です。
2. ライセンス契約
「自社の技術や特許を他社に使わせて、ロイヤリティ(使用料)をもらう」――そんなビジネスモデルを可能にするのがライセンス契約です。
知的財産を自社だけで使うだけでなく、他社に利用を許可することで、新たな収益を生み出し、市場での影響力を高めることができます。
ライセンス契約の種類
• 独占ライセンス:
o 特定の相手にだけ、その知的財産を使う権利を与えます。
• 非独占ライセンス:
o 複数の相手に、同じ知的財産を使う権利を与えます。
ここに注意!
契約書には、「どの地域で」「どんな目的で」「いつまで」使うのかを明確に記載しましょう。また、使用料(ロイヤリティ)の金額や支払い方法も忘れずに決めましょう。
3. 契約書作成のポイント
複雑な契約書を自分で作成するのは簡単ではありません。
• 専門家の活用:
o 契約書の作成やレビューには、弁護士や弁理士といった専門家の力を借りるのが最も確実です。これにより、後々のトラブルを防ぐことができます。
• 内容をしっかり理解する:
o 専門家に任せるとしても、契約内容を丸投げせず、あなたの会社のビジネスにとって何が重要かをしっかりと理解した上で、相談を進めましょう。
まとめ
契約は、会社の知的財産を守るための「砦」です。
ビジネスの早い段階でNDAを交わすことで、大切な技術や情報が外部に漏れるのを防ぎます。また、ライセンス契約をうまく活用すれば、知的財産を収益化し、ビジネスをさらに成長させることが可能です。
専門家と連携しながら、あなたの会社のビジネスを安全に、そして確実に守るための契約戦略を構築しましょう。