模倣品や海賊版から会社を守る!(第9回)専門家を味方につける

専門家を味方につける
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 会社の知的財産を守り、活用していくことは、これからのビジネスに不可欠です。しかし、特許や商標、契約といった専門的な分野を、経営者一人で全てカバーするのは困難です。
 そこで頼りになるのが、「外部の専門家や支援機関」です。
 今回は、知的財産に関する悩みを解決するために、どんな専門家や窓口を頼れば良いのかを解説します。


1. 弁理士・弁護士の使い分け
 知的財産の専門家には、主に弁理士と弁護士がいます。どちらに相談すべきか、その役割を見てみましょう。
• 弁理士
• 特許や商標、デザインの専門家です。
• 製品の特許出願や、ブランド名の商標登録といった「権利を取得するための手続き」を代行してくれます。
• 模倣品対策として、どの権利を取れば良いかといった戦略的なアドバイスも得意です。
• 弁護士
• 法律トラブル全般の専門家です。
• 模倣品業者を訴えたり、損害賠償を請求したりといった「知的財産権の侵害に関する訴訟」を専門に扱う弁護士もいます。(一方、知財分野をあまり扱ったことのない弁護士もいます)
• 秘密保持契約(NDA)やライセンス契約といった「法律文書の作成やチェック」も依頼できます。


 特許・商標の取得やトラブル防止は「弁理士」、トラブル解決や訴訟は「弁護士」と覚えておきましょう。


2. 頼れる公的機関・支援団体
 費用を抑えて相談したい場合や、まずはおおまかな情報を知りたい場合は、公的な支援機関を活用しましょう。
• 特許庁:
• 特許や商標の登録手続きに関する情報を提供しています。公式ウェブサイトには、多くの情報が載っています。
• INPIT(独立行政法人 工業所有権情報・研修館):
• 全国に相談窓口があり、専門家による無料相談を受けることができます。特許出願や商標登録について、無料でアドバイスをもらえます。
• 日本貿易振興機構(JETRO):
• 海外進出を考えている中小企業向けに、海外での知的財産保護に関する専門的な相談サービスを提供しています。
• 各地域の商工会議所:
• 地域の中小企業向けに、知的財産に関する相談窓口を設けている場合があります。


3. 費用を抑える「助成金
 知的財産権の出願や登録には、お金がかかります。しかし、国や地方自治体が提供する「助成金」を活用することで、費用負担を大幅に減らせます。
• 特許出願費用の助成金:
• 特許出願にかかる費用の一部を補助してくれる制度です。
• 海外出願費用の補助金:
• 海外での商標登録や特許出願にかかる費用を補助してくれる制度です。
助成金には申請の条件や期間があるので、事前にしっかりと確認しましょう。


まとめ
 知的財産の課題は、一人で抱え込まず、外部の力を借りることが成功への近道です。
 専門家の知識と経験を活用することで、時間とコストを削減し、将来的なリスクを最小限に抑えることができます。
 弁理士、知財に詳しい弁護士、そして公的な支援団体など、あなたのビジネスを守るための相談窓口は数多くあります。ぜひ積極的に活用して、会社の知的財産を守り育てていきましょう。

2025年10月31日